HSPのあなたに伝えたい共感における主語の重要性

あなたの心に寄り添って気持ちを聴く心理カウンセラー&聴き手のあいりすです。


中学校教員として11年勤務した後カウンセリングの専門教育を大学院で受け臨床心理士・公認心理師(国家資格)の有資格者として北海道公立学校スクールカウンセラーを長年務めた経験を活かしたセッションを行なっております。


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この記事が役に立つ方

▷共感能力がとても高い方
HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)、繊細さん、エンパス気質など、多様な呼ばれ方があるようです
▷共感しすぎて生きづらさを感じる方
▷子供と良い関係を育みたい方


最後まで読むと

◯共感しすぎになる原因・理由が分かります
◯「共感しすぎない具体的な方法や対処法」が分かります
◯子供の気持ちに寄り添う言葉が分かります
◯心の境界線やバウンダリーについて理解し自分の心を守れるようになります

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今回は共感について
書いていこうと思います。

共感はとても深いテーマになるので
この記事では
共感の受信的側面(まなざし、態度)
ではなく
発信的側面(応答、返し)に
焦点を当てていきます。


「発信」の技術面のお話なので
表層的と感じるかもしれませんが
血の通った温かいまなざしのもと
こうした技術がある事を
ご留意くださいね。

(まなざしの方が何十倍も重要と考えています)




それでは
日常生活にありがちなこんな場面…


お友達がこんなことを言いました。

「〇〇ってホント最低。約束は守らないし、うそつきだしー」

さて、どんな風に言葉を返すでしょうか…


たくさんの返答があるけれど
誰もが一度は、

「うわ〜最低」

「約束守らない上に
嘘つきとか、最悪じゃん」

みたいな返事をした経験が
あるでしょう。



この会話が二人の間で
完全に閉じていれば
さほど問題はないのですが

ここに
第三者が絡むとき
悪口をいった、いわないの問題
に見舞われることがあります。

「私はただ共感しただけで、悪口なんていってないのに」
と言いたくもなりますよね。



ただ単にお友だちに共感した
だけなのに

お友だちの話に出てきた人物を
意図せず批判するという事態
になってしまうのは

省略されている主語が

"私は"

だからなんです。




「うわ〜最低」

「約束守らない上に
嘘つきとか、最悪じゃん」

という、さっきの返答に
省略されている主語をおぎなうと

うわ〜(私は〇〇さんをかなり)最低(だと感じている)

約束守らない上に嘘つきとか、
私は〇〇さんを)最悪じゃん(と感じている)


となり、
最低とか最悪と感じているのは
お友だちじゃなくて自分の方
になってしまうんです。


この事に気づくことは
きっと難しいのではないかと感じます。
(だから記事を届けたいと思いました)




これを回避するためには
主語を意識した表現を用いるといいです。

具体的には、
"私は"という省略された主語を
"あなたは"におきかえる事で
表現全体を整えてあげます。





先ほどの返答の
主語を変えるとこんな感じになりますよ。
まずは補足なしバージョンから
見てみましょう。

「あー最低だって思うのね」

「約束は守らないし、嘘つきだし、ホント最悪って思ってるんだ」



きっと
「たいして変わってなくない?」
と思っている方が大半でしょう。(笑)

では主語をおぎなってみましょうね。




あー(あなたは〇〇さんのことを)最低だって思うのね。

約束は守らないし、嘘つきだし、(あなたは〇〇さんのことを)ホント最悪って思ってるんだ。




いかがでしょう?言葉上は
ニュアンスが少し変わったようにしか
見えませんが

この言いかたでは
最低とか最悪と感じているのは
あくまでもお友だち、

あなたの意見や気持ちはいっさい
表明されていないことが
お分かりになるかと思います。



場合によっては
あなたと〇〇さんが仲良しで
返答に困るときもあるでしょう。

そんな時
"あなたは"
が主語になる表現なら

〇〇さんの批判をすることなく
お友だちに共感を伝えられるのです。






主語を変えるのが難しいときは

相手がキモチを語ったら
それに「ね」をつけて返してあげる。

相手「あいつ、むかつくわ」
自分「むかつくんだ ね」

相手「ヤダヤダ、ヤダーッ」
自分「嫌なんだ ね」

これはやり過ぎても不自然なので
ほどほどに、ではありますが

とくに
思春期や小さな子どもであれば
説得・説明の前に、まずは
キモチ+ね
を返してあげると

そして、それを続けていくと


いつもの展開と違う⁉︎
と感じられる事がでてくると思います。


なぜかというと、日常会話では…

たとえば思春期の子供が
「あいつ、むかつくわ」と言ったら
「そういう言葉お母さん嫌い。使わないでっていつも言ってるじゃない!」
と叱られる展開が多々ありますし

小さいお子さんが「ヤダヤダ、ヤダーッ」
なんて駄々をこねたら
親だって人間だからイライラするし
つい「ヤダとかワガママ言わないの!」
と言ってしまう…


「ね」をつけて返す方法って
シンプルな割に意外とやって来てないから
こうした無意識の悪循環を変えるには
めちゃくちゃ効果が高いのです。

だから
「あれ、いつもと違う?」
と感じる事が出てくるというわけなんですね
^ - ^




人は何に共感してもらいたいのか?

例えば、ぐちを聞いてもらいたい時
その人を困らせている人物や出来事を
一緒になって批判してほしい
のではありません。

一番聴きとられたいのはキモチ

むかついた
がっかりした
さみしかった
つらかった
etc

そんな自分のキモチ
相手に分かってほしいというのが
一番の願い。


主語を"あなたは"にしたり
キモチに「ね」をつけて返すのは
ちがう事をしているように見えて
実はどちらも

『あなたが〜なキモチだ、という事を
私は理解しましたよ』

と伝達しているのです。

だから
キモチを分かってもらえた」
と心が軽くなり癒しが起こるんですね。



以下は

著しく高い共感能力をもつ方(HSP/繊細さん/エンパスなど呼び方は色々あります)へ
向けたメッセージになります。

必要な方のみ、お進みください。






こうした共感的理解の伝達では

〜あなたは、あなた。私は、私。〜

という心の境界線(バウンダリー)
が立ちあがり、

依存や共依存など無意識レベルで起こる
思わぬ落としあなを回避して
結果的に双方が守られる
ことになります。




バウンダリーとは
けっして冷徹なバリアではなく

お互いを守り
関係の健全さを保つ
大切な"わくぐみ"に他なりません。

あなたが優しく
思いやりが深いタイプであるほど
どうかいつも
心に留めて欲しいと願っています。 



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