家庭と学校の「待つ不安」を和らげてきた不登校対応の羅針盤

今回は私が不登校相談で長年活用している

不登校の回復過程についての資料を
シェアできればと思います。

不登校の子供の今の現在地、すなわち
"不登校のプロセスにおいてどの段階にいるのか"を見極め、
どのように関わればよいかを
知る上で、大きな助けになるでしょう。


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あなたの気持ちに寄り添って気持ちを聞く心理カウンセラー&聴き手のあいりすです。


中学校教員として11年間勤務したのち大学院に進学し、臨床心理士・公認心理師(国家資格)の有資格者として函館市や北海道公立学校スクールカウンセラーを長年務めています。お住まいが遠い方についてはオンラインセッションをお届けしております。


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最初に私自身の不登校対応のまなざし(とらえ方、考え方、スタンスや姿勢)について綴りますので、

お読みになって合わないと感じたら
資料はスルーされることをお勧めします。



それでは、
不登校/長期欠席に対して
私がどんなスタンスで関わってきたか
過去記事を引用してみます

私はこの動き出しを「蛹からチョウへ」
と例えることが多いのですが

蛹の時に蓄積したパワーを解き放つかの如く

子ども達は力強く歩み始めます。


それは
集団を再び選択するということだったり
別の集団を選ぶことだったり
蛹の時期に出会った心躍ることを追求していくことだったり
望む進路の実現であったりと
お一人お一人違いますが

自分で道を決めるというプロセスを経ると

自分の芯棒がしっかりとして
少しの雨風では揺らがない
そんな強さを纏うように感じます。



『受容・共感・傾聴はテクニックではなく結果』より

このように
私が最も大切にしているのは
子供が自己実現方向へ進むための援助
と考えています。

安心できる環境で
できる自分もできない自分も
まるっと全部うけいれてもらえた時、

つまり
学校に行こうが行くまいが
あなたの価値は変わらないという
メッセージが伝わったとき、子供は

自己受容のプロセスを歩み始め
その延長線上に

集団を再び選択するということだったり⭐︎
別の集団を選ぶことだったり
蛹の時期に出会った心躍ることを追求していくことだったり
望む進路の実現であったり

という展開が立ち現れてくるということを
不登校支援の現場から学びました。

⭐︎印がいわゆる再登校に当たりますが、
それは数ある着地点のうちの1つであると
私は考えています。


さて、この資料を活用する場合には
『留意点』があります。
再登校を目指して各段階の支援を行うのではなく、各段階に応じた支援を届けることに全力を尽くすことで、次の段階が立ち現れてくることが多いです。支援する側のまなざしが前者的になっていないかの振り返りとセットでご活用ください。
言葉足らずなので説明を付け足しますね。


約2500件以上の
不登校対応から知ったこと…それは
どうやら心の現場においては
目標を立てることが馴染まないらしい
ということでした。

短期目標とか中期目標とか長期目標とか
よく決めますでしょう?

「目標」に向かって〜するということを
私たちは、本当によくやりますよね。

でもこれ、不登校相談ではとくに
タブーなのではないか?
そんな風に考えるようになりました。

不思議なことに
目標を立てて何かに取り組もうと
するほど上手くいきません。

大人が自分を操作しようとしていることを
子どもが無意識レベルでキャッチして
抵抗が生じているのかなって思います。

むしろ、なんの期待もせずに
ただただ上手くいってる今の関わりを
大切にして、それだけに集中していると
ケースが展開していって
気がつくと「目標」の姿、時には
それを超える姿になっていた

そんな事が圧倒的に多いです。


このパラドックスに気づいてから

 今の関わりを続けていって
 さらに心のエネルギーがたまっていくと
 これこれこんな姿が出てくると思うので
 頭のすみっこに入れておいてもらって
 気づいたことがあれば
 次のセッションの時に教えてくださいね

という感じで、
ちょっとだけ未来の子どもの姿を
参考までにお伝えするようにしています。



最近は不登校に関する情報も
インターネット上には多くあり

保護者も学校の先生方も

待っていればエネルギーがたまる、とか
不登校は待ってはいけない、とか
相反する情報に
とても戸惑っているように感じます。

この資料は
不登校プロセスのどの段階にいるのか見立て

今は何をすれば望ましいのか
何をしてはいけないのかを知る上で
とても役に立つことでしょう。


子供との関わり方に迷ったとき
不登校対応の羅針盤を
あなたとあなたの大切な方のため
お役立て頂ければ幸いです。


もしもサポートが必要な際には
一緒に考えることもできますので
お問合せください。



資料はこちら↓
(クリックで拡大します)

出典:佐賀県教育センターHP

これは『心のエネルギー曲線の高低の理解とそのかかわり』についての資料で

不登校の回復過程における
心のエネルギーの充電率の推移が
目で見てわかるようになっており、

多くのケースで概ね共通して報告される
子供の様子やエピソードとあわせて

各段階(不登校前兆期、不登校初期、不登校中期、不登校後期、不登校復帰期)において
どう関わると望ましく、何がタブーなのか
多くのヒントが得られます。


(上の画像⤴をクリックしていただくと、トップページに移ります)




〈傾聴と心理カウンセリング〉心のサロンあいりす-函館

心のやすらぎと変容に出会う あなたの気持ちがずれることなく聴きとられる"聴き手"サロン

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