[傾聴]きくとは?日常会話に無い質問の仕方

函館のずれることなく気持ちを聴く専門サロン【聴き手サロンあいりす】のブログに

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多くの方は「訊く(きく)」という言葉を

あまり聞いたことがないかもしれません。

別の言い方だと「問う」とか「質問する」

といった意味になります。



あまり強調されませんし

意外だと感じるかもしれませんが

聴き手がセッションでする質問は

実は相当に練られていたりします。




たとえば「なぜ」

この言葉をあまり使いません。


実は「なぜ」という表現に

人によって受け取り方が変わるという

悩ましい側面があるのです。



単純に理由をたずねられている

と受け取る方もあれば


暗に責められている…

と感じてしまう方もいます。




両者の違いには

性格も多少関連するのですが

それ以上に

心の負荷がもたらす影響を無視できません。


心の現場で出会う方の多くは

もう、これ以上は頑張れないほどに

努力を重ねてきた方ですので


言葉の選択は

その隠れたニュアンスまでも把握して

慎重に行いたいのです。


だから

「〜の理由を教えて頂けますか」

とお尋ねしているように思います。






それからもう一つ

日常会話であまり使用されていない

聴き手ならではといった感じの

質問の型があります。


私はHOW質問と呼んでいます。


言葉で説明するとちょっと複雑なので

例を挙げてみますね。




学校に行きにくくなっている子どもに

「なんで学校に行きたくないの?」

と訊く保護者は少なくありません。


意外に思われるでしょうが

この質問に答えられる子どもは

そんなに多くはない印象です。


たぶん質問が大き過ぎるのかもしれません。


そんな時は切り口を作ってあげると

ちょっとだけ話しやすくなるように思います。




やり方は


「なぜ(WHY)」のかわりに

「どのような(HOW)」


という言葉を質問の中に入れます。





「なんで、学校に行きたくないの?」

と訊く代わりに


「どんな時に、学校に行きたくないって感じるのかな?」


とか


「学校に行きたくないっていう気持ちなんだね。どんなことを思うと苦しくなる?」


と訊くわけです。




すると


休み時間がしんどいとか

特定の教科に困りごとがあったり

クラスでグループをつくる時に

居心地の悪さを感じるなど


辛いと感じている

具体的な場面やエピソードが

語られることがあります。


これを聴きとることができれば

その子の置かれている状況や気持ちを

理解する貴重な最初の一歩になります。





これはほんの一例ですが


多くの場合

聴き手の質問とは

何を引き出すかを想定し相当に練った上で

話し手さんの元へと届けられています。






そしてもちろん

技術を活用する大前提には

まなざしとか態度が

重要な要素としてあります。



自分の価値観にあう場合だけ

肯定するのではなく

(無条件の肯定的な関心)


自分の価値観にあう場合だけ

共感したり

それを伝達するのではなく

(共感的理解)


聴き手自身が率直であること

(純粋性)



こういった態度が

セッションの土台にあるとき

安全と安心が保証され

ラポール(信頼関係)が

構築されていきます。


このラポールという下支え

があって初めて技術は

力を発揮できるようになるのです。



〈傾聴と心理カウンセリング〉心のサロンあいりす-函館

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